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2019年09月13日

日本酒の加水について

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今回は少しまじめな内容を。

今とある事件をきっかけに今まで日本酒に水を加えているということを知らなかったという方達の一部から、日本酒は「水増しを行ってるの?」といった疑問があがっているようです。
こういう話が問題になるのも発信がうまくできていなかった蔵元にも責任の一端があるのではと思い書かせていただきましたので、ご一読いただき拡散にご協力いただければ幸いです。

まず最初に一言

「日本酒の加水は決して水増しの為におこなっているのではありません。目指している酒質にする為におこなっています」

すみません。二言になってしまいましたが、これだけは理解してほしいです。

なぜ日本酒に加水を行うのかというと目指すべき酒質にする為です。
日本酒というのはお酒の分類としてはワイン等と同じ「醸造酒」という分類に入るのですが、日本酒は醸造酒の中でもかなりアルコール度数の高いお酒です。加水を行う前の日本酒というのはアルコール度数が18度前後あり、高いものでは20度近くあるものも。
これはワインのアルコール度数が12-13度程度なことを考えるとかなり高いことがわかると思います。

醸造酒ではないですが最近流行っている酎ハイ類の「STRONG〜」という高アルコールを謳っているお酒も9%程度のアルコール度数です。
日本酒がアルコール度数が高いのは日本酒独自の並行複発酵という醸造方法によるものですが、話の本筋から外れるのでここでは割愛します。

このアルコール度数の高い日本酒を飲みやすいアルコール度数(大体15度前後)に調節することが加水の主な役割になってきます。
また、加水を行っていない日本酒は味わいや香りもとても濃淳なので、それを目指すべき酒質に調節するという役割もあります。

また、加水を行う前の日本酒がいいという方も当然おられると思います。そういった日本酒は「原酒」や「無加水」として表記してあることが多いのでそちらを参考に選んでいただければありがたいです。

ただ、ここで言いたいのは

「加水をしているお酒がいいとか、原酒がいいとかそういうことではなく、それらは個々人の好みであったり、その時の飲み方に合わせて選んでいただければいいのではないかということ。また、我々蔵元としては目指すべき酒質があり、それに合わせて加水を行ったり、行わなかったりしており、決して水増しのためではないですよ」

ということです。

皆様のこの問題への誤解が溶けて、日本酒をより楽しんでいただければ幸いです。
長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。


kamikokoroshuzo at 09:33│その他 
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